平面細胞極性(PCP)シグナルは、内耳のステレオシリアが一貫した方向性を示すように、組織全体のグローバルな極性を感知して個々の細胞の極性を生み出す役割を果たしている。我々は、上皮系細胞のエンドソーム-ゴルジ細胞内膜系分子の、fluorescence localization-based retrovirus-mediated expression cloning法による探索をすすめた。得られた分子から、哺乳動物モデル細胞系とアフリカツメガエルの発生実験系を利用し、PCP シグナルを制御する細胞内膜系タンパク質の候補を得た。これまでに、これらの制御分子のいくつかについて細内局在を規定する配列や局在を変化させる変異を同定することに成功し、細胞内局在と機能の相関を解析中である。

（生理研　古瀬幹夫　先生、基礎生物学研究所　木下典行　先生との共同研究。）